英語と筋トレは似ている!?英語と筋トレの両方を教えるトレーナーが解説する9つの理由
Googleで検索をすると、上位検索に「英語 筋トレ 似ている」というキーワードがヒットします。英語と筋トレは、片方は勉強で、もう片方は運動(スポーツ)ですので、似て非なるものに見えます。本当にこの2つは似ているのか、そしてそう言われる理由を、筋トレ好きの現役英語講師であり、パーソナルトレーナーの資格も保有する筆者が解説をしたいと思います。
結論
英語も筋トレは類似する点が多くあります。互いの原理原則を理解することで、語学学習も筋トレ・ボディメイクの両方で成功に導くことが出来るようになります。
1. 三日坊主になりやすい
一番やってみたい習い事ランキングで、常に上位をキープするものがあります。まずは「英会話」。そしてここ近年の健康ブームに後押しされ、「パーソナルトレーニング(筋トレ、ボディメイク)」がトップランキングに常に食い込んできます。
それだけ注目の的となる、英会話とパーソナルトレーニングですが、常に人気であり続ける裏事情も存在します。それは「三日坊主になる人が多い」ということです。
ボディメイク、という言葉を日本中に駆け巡らせたRIZAPの代表取締役瀬戸健氏も、かつてのインタビューで「三日坊主市場」という言葉を使用していたことを覚えております。ダイエット、筋トレ、英会話、これらは多くの人の憧れである一方、途中で挫折してしまう人、諦めてしまう人が多くいるのもまた事実です。
英語、そして筋トレに共通する、その三日坊主をいかに乗り越えるかが、心身共における成長へと繋がる鍵になると思います。
2. 3つの原理と5つの原則を知る
三日坊主になりやすい英会話と筋トレですが、スタートする前に理解しておくべきマインドセット(心構え)が存在するのはご存知でしょうか。
低糖質ダイエット、ケトジェニック、ロカボ等、筋トレやダイエットにまつわる言葉が、一般的に普及する一方で、「トレーニングの原理・原則」ということを知っている方は少ないと思います(筋トレが好きな方、パーソナルトレーナーの方は別です)
筋肉を鍛え、身体を効率よく鍛えるには、初心者の方から上級者の方まで、この「トレーニングの3原理と5原則」を踏襲する必要があります。
そして、この原理・原則は、英語学習にも全く同じことが言えます!
3つの原理
①過負荷の原理
②可逆性の原理
③特異性の原理
5つの原則
❶全面性の原則
❷漸進性の原則
❸反復性の原則
❹個別性の原則
❺意識性の原則
これらの原理・原則を理解することで、これから将来起こりえることへの心構えが事前に出来、結果として不要なモチベーション低下を防ぎ、三日坊主から抜け出す手助けを担ってくれます。
2-1. トレーニングの3原理
①過負荷の原理
ある一定以上の負荷(難易度)を身体(脳)に与えなければ、トレーニング(英語学習)の効果は表れません。このことを「過負荷の原理」と言います。また、トレーニング(英語学習)を繰り返し行っていても、同じ負荷(難易度)をかけては、身体(脳)が刺激に慣れてしまうため、効果が出にくくなると言われます。
身体の変化や成長を出すためには、常に負荷を一定のレベルで高めていかなければなりません。
②可逆性の原理
トレーニング(英語学習)を行い、鍛えられた体力・筋量(英語力)も、そのトレーニング(英語学習)をいったん止めてしまえば、元のレベルに戻ってしまいます。これを「可逆性の原理」と呼びます。体力や体型を維持するためには、日ごろから継続的にトレーニング(英語学習)を行っていく必要があります。
③特異性の原理
トレーニング(英語学習)はやり方によって、その効果が変わります。これを「特異性の原理」と呼びます。短距離走をランナーにも関わらず、長距離選手と同じトレーニング方法を行っては、その求められる成果・効果は出ません(例えば、スピーキングを伸ばしたいのにシャドーイングばかり注力していてはいけません)。目的に応じて、適切なやり方を行う必要があります。
「①自分のレベルに応じて、適切な負荷をかけ続けること」「②筋トレも英語も常に一定のリズムで触れ続けること」「③やり方とその効果を理解した上で行うこと」これらの3つが大切ということですね。
2-2. トレーニングの5原則
次は、トレーニングの5原則について説明します。
①全面性の原則
ボディメイクやダイエットをする上(英語学習をする上)で、腕を太くしたい、腹筋を割りたい、お尻を引きしめたい、太ももを細く見せたい(スピーキングを上げたい、リスニングを上げたい、発音をよくしたい)などを、それぞれ鍛えたい・改善したいパーツや好みの場所が出てきます。しかし、偏ったトレーニング(英語学習)メニューは、結果的にバランスを崩し、成長がうまく進まなかったり、場合によってはケガに繋がる可能性もあります(英語の場合ケガはしませんね)。これを「全面性の原則」と言います。
気になる部分だけを鍛えるのではなく、全体的にトレーニング(学習)をすることで、結果的に注力したい部分のパートの力も伸び、全体レベルのボトムアップにも繋がります。
例えば、TOEICのスコアを上げたいからと言って、TOEICの学習を何カ月も、何年も継続して行うことはあまり効果的とは言えません。
「読む・書く・聞く・話す」の4大技能は、それぞれ何かしらの形で連動します。TOEICの学習をしたら、次は英会話の学習。またTOEICの学習に戻す、といった様に、学習するパートを全面的に行うことは非常に重要な進め方です。
②漸進性の原則
身体を作る上では、同じ負荷をずっと続けるのでは効果は薄く、少しずつ強度を高めていく必要があります。これは「漸進性の原則」といいます。
例えば、運動を全く行っていなかった初心者の方が、いきなり急に強度(ウエイトの重さ)を上げてトレーニングを行うと、どうなるでしょうか。急激に負荷を上げたからと言って、成長も急激に上がる訳にはいきません。むしろ関節を痛めたり、効果が減少してしまいます。
英語の場合、負荷を急激に上げることによってケガには繋がりませんが、「心を折る」という事象には大きく繋がります。
「え、全然わからない」「全く話せない」といった大きな壁にぶち当たった様な気持ちになり、モチベーションが不要に低下し、結果として悪い方向に転がってしまう可能性が高くなります。
③反復性の原則
トレーニング(英語学習)の効果を出すには、どんなに優れたやり方、機材を用いても、数回行っただけでは効果は現れません。反復し、継続することで、はじめて効果が出ます。これを「反復性の法則」と言います。先ほどから出ている様に、負荷を高めながら、繰り返し行い、継続的に進めることで成長へと繋がっていきます。
英会話スクール業界の罠
余談のひとつとして、ここで「英会話スクール業界の罠」について一つご説明をしようと思います。
なぜいきなりこのようなことを書くのか、理由をお伝えすると、これを事前に知っておかないと、不要な手間がかかり、結果として、英語学習のゴールに辿りつくまでに、余計な手間やコストがかかってしまうからです。最悪のケースとして、「諦める」という決断にもつながってしまう重要なことです。
それは、英会話スクール業界は「スクール(学校)」ではないという事です。
「英会話スクール=教育業界」という考えをお持ちの方はお気をつけてください!
どういうことかと申し上げると、英会話スクールは、その名の通り「スクール(学校)」という名前がついておりますが、純粋な教育機関ではありません。営利を目的とした株式会社であることが大半です。
学習者の成長より、営利を考える方もおります。「学習者が成長する=学校に通わなくてよい=継続しない=利益が上がらない」という構図が成り立ちます。
筆者の考えとしては、早く成長していただき、早く英語学習にどっぷりとつかる期間を卒業して欲しい、という願いがあるのですが、酷い講師やトレーナーだと、この図式を逆手に取り、あえて成長の促進を抑え、可能な限りの長く通ってもらうように意図的に操作する人もおります。そちらの方が利益が上がりますし、学習者が継続をしてくれますので、個人としても企業としても成績が上がるという訳です。
極論、英会話学校なんて不要だというのが筆者の考えです。英語を必要と考える方が、困らないくらい英語を出来る様になる社会が早く来るようになるのが私のゴール(目標)です。
もう1つご理解いただきたいのが、英会話スクールは「広告合戦」である、ということです。
英会話スクールは今や数知れず。無数の企業や団体、個人で教えている人がひしめき合うレッドオーシャン市場です。そこで行われるのが「広告宣伝のオンパレード」ということです。
いかに真新しく、新しい革新的なものに見せるか、いかに学習者の目に留まらせるか、いかに楽にして成長を遂げるか、といったあらゆる広告が存在します。
残念な話ではありますが、英語学習は短期的な爆発はあっても、短期的な超レベルアップはあり得ません。TOEIC400の方が600に2か月間で成長するは起こりえますが、TOEIC400の方が2か月間で900になる、3か月間で初心者が洋画を字幕なしで見れるようになる、といった事は起こりえません(稀な事情として起こりえる特殊ケースはありますが、一般的にはあり得ないとお考えください)
ここでお伝えしたいのは、「どこで学習するかではなく」「どの人に教わるのか」という人を見て、英会話スクールを決めていただきたいということです。英会話スクールには、講師の当たり外れがあるのは否定できません。
担当になる人との相性は良いのか、得意とする分野がマッチするのか、これまで具体的にどのような経験があるのか(表面的な経験ではなく)といったポイントをしっかりと見定めることで、英語学習における爆発的な成長を出せると、筆者は考えております。
④個別性の原則
話を原理・原則に戻します。
4つ目は「個別性の原則」です。身体は個人によって様々であり、性別・年齢・これまでの経歴など、すべてが全く同じということは起こりえません。そのため、トレーニング(英語学習)の内容もみな同じではありません。目的に合わせて、個人個人に設定したトレーニング(学習)内容や強度を設定しなければ、なかなか成長が現れません。
⑤意識性の原則
今行っているトレーニング(英語学習)が、どのような意味を持っているのか、これを理解するのと、理解していないのとでは、得られる効果が違います。どこを鍛えているのかをしっかりと理解することで、トレーニング効果(学習効果)が高まります。これを「意識性の原則」と言います。
まとめ
今回は、英語学習と筋トレにおける、原理原則の共通点をご説明させていただきました。これらを事前に把握し取り組むことで、英語学習と筋トレ・ダイエット・ボディメイクにおいても成功へと導くことが出来ます。英語は勿論、ダイエットもやりたい、という方はぜひお声がけください!
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